EMERGING PROJECT 2011展 公開座談会/ EMERGING PROJECT 2011 SYMPOSIUM

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新建築座談会をUstreamで観た。

中国ではFacebook, Twitter, Utubeと同様Ustreamはブロックされていて使用できない。このUstreamで観るという日本であれば今時何でもない行為をするのに、ちょっとした裏技を使用しないといけない。その裏技を使用しても途中で何度も途切れるし、遅いしであまり心地の良い環境でもない。そんなネット難民の様な暮らしは逆に煩わしさも少なくそこそこ快適なのではないかとも普段は思っていたりする。ただ今回は楽しみにしていたので、張り切って仕組んでいたのです。

それなのに最後の最後で時間もオーバーしていたし、もう出番はないかなと早とちりして席を外してしまっていたのでした。関係者の方々には本当にご迷惑をおかけしました。

 

今回上海から参加するということに関して少し複雑な気持ちでもあった。自国で起きたことなので当事者ではあっても、実際に日本国内で経験している方のことを考えると、私が遠くより通り一遍等なことをいうのもはばかられると思っていた。それでもなお何か伝えるのであれば、外国にいるからこそ感じていることを話したいと思っていた。

私は上海で友人だけでなく、八百屋のおばちゃんからタクシーの運転手にまでお見舞いの言葉をかけてもらっている。またメディアで知る限りでは、海外から連日スポーツの試合やコンサートなど様々な場で日本応援メッセージを受け取っている。私がほぼ確信として言えるは、それらを行っている人達が漠然とした国としての日本を対象にしてだけサポートしてくれているわけではないということ。おそらく彼らのうちの少なくない人達が、何人かの日本人と実際に会ったことがあり、おそらくそれらの日本人の印象が、勤勉だとか、やさしいとか、正直だとか、ありきたりかもしれないけど、そういう大まか良いもので記憶されているのではないかということ。そういった個人的な経験を思い出すとき、サポートの仕方が経済援助以外の形で表されるのではと思う。戦後、世界の各地で色々な形で世界と接触してきた日本人達が作って来た生の日本の印象なのではと思っている。

 また、先週中国と日本を一ヶ月かけて旅行する計画をしていたデンマーク人に会ったが、彼は今回の震災で、その計画の中から日本部分をキャンセルして中国に専念すると言っていた。他にもビジネスがあるので日本には行くけど大阪、京都だけにするという中国人にも会った。また、日本へ出張に行くのだけれど、奥さんが異常に心配しているので東京方面には内緒で出かける中国人も知っている。メディアでも日本から逃げ出す、東京から逃げ出す外国人に対する記事を何度か目にした。個人的には全く仕方がないと思うのだけど、微妙な気持ちになる日本人も多いはずである。私が少し気になっているのは、ここで日本人節が少し出てきそうな気がしているからである。日本を守るのは日本人だけであるような気になってしまう人が増えるというのは危惧し過ぎだろうか。日本の復興への努力はこれから明らかになっていくだろうけど、きっと目覚ましいものであると思う。日本人は国内に割とはっきりした問題を抱えている時、それに取り組むのは得意なように思う。戦後復興期などがまさにそれに当たる。逆に苦手なのは対外問題、外国との問題を抱えた時だと思う。 私には今回のことが、世界での日本の立ち位置みたいなものを、またよく見せてくれるきっかけになるような気がしている。

 

座談会の話に戻る。参加者の皆さんのお話を聞いていて、皆さんそれぞれの立場からのお話だったので、内容は多岐に富んでいた。でもやはりまだ皆さん今回の惨事に関しては日が浅いせいか語りづらそう、という印象も受けた。

私のような海外にいるものにとっては一般的な議論よりも、個人的な体験を聞かせてもらえる方がありがいというのも正直なところだった。例えば山本さんの品川駅の暗さがある意味、不快なものではなかったというお話とか。

また、オンデザインさんが言っていた、キッチンばかりを気にした施主の奥さんが「どうしてこんなにキッチンばかりを気にしていたのかしら」と言われたとのことも、印象に残った。そのいわゆる普通の人である奥さんを変えることを出来たのは我々のような建築家ではなかったということ。それは破壊を伴ったものではあったが自然というものであり、一瞬にして彼女の考え方を変えた。私達は建築ができること、建築家ができることの意味を過信していたのか、取り違えていたのでは。建築家に出来ることの限界を知ることが大切であり、それを忠実に具体的に行うことが我々のすべきことである。被災地にパーティンションを作るという坂さんのような仕事はすばらしいと思う。今回、都市に対しての働きかけという話が結構出ていたし、今後都市レベルの話はますます出てくると思うが、そういう意味で慎重にならざるを得ないように思っている。

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