新しい世界の古い消費モデル/ NEW MIXED ECONOMY

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kuuのすぐ近くのウルムチ路という所に知る人ぞ知る八百屋さんがある。

もともとは普通のローカルな店で、その他大勢の店と特に違いもなく素通りをしてしまう店だった。
それがある日「サーモン!サーモン!ウィ ハヴ サーモン!」と店の女性に英語で声をかけられたのが最初。
そこで初めて、普通の店と違い店の一番奥にステンレスの立派な冷蔵庫があるのに気づいた。
中国は川魚が主流なので、海の魚に飢えている私は買ってみることにした。

しばらくしてサーモン以外にも「タイ(鯛。これは何故か日本語)!」とか「コッドフィッシュ(鱈)!」とか
店の魚の種類が増えるのに合わせて店員の彼女たちのボキャブラリーもどんどん増えていった。

その後もサーモンやらを買い求めに何度か出かけるうちに、まずは冷蔵庫の数がもう一つ増えた。
そのあとはヨーグルト、チーズ、バター、コーヒー豆、パスタ、小麦粉、ツナ缶、アンチョビ、オリーブオイルなどどんどん品数が増える。
野菜も中国野菜に加えてルッコラ、バジル、シソ、ゴボウなどなど。ローズマリー、ベイリーフ等のハーブ系も一通りそろうようになった。

この辺りで隣の店を借りたのか、大きさが2倍になった。
それに合わせて小麦粉、スパークリングウォーター、サンドライトマト、グリーンマンゴと増え続ける。そしてワイン!
ドライフルーツ、くるみ、カシューナッツ、ヘイゼルナッツ、ピーナッツ。ジャム、蜂蜜、保存食、何でもある。
今はシリアル、コーンフレーク類を入れてもらうようにお願いしていて、それが揃えばほぼ完璧。

このお店は2家族によって経営されてるよう。2人の女性がお勘定などの接客をして、そのダンナたちが仕入れなどをしている。
どう見ても女性陣の方がよく働いているが、これは上海ではよくある風景。男性は忙しければそのサポートをして、さもなければ何となくぶらっとしている。
夏休みには10代であろう彼女たちの子供たちが手伝いに来ていた。
営業は朝の7時から夜の9時くらいまでで、いつ行ってもお客さんで一杯なのがすごい。ローカルに加えて近くに住む外国人で賑わっている。

人気の理由はその品揃えだけでなく、もちろん値段。
この辺りには外国人が多いので、外国食材を扱う店がかなりの数あるが、そのどこと比べても15-20%くらい安い。
安い理由は当然ある。このショップで働く彼女たち(彼らたち)がオーナーなのだ。
ミドルマネジメントがなく全て自分たちでやることで、利幅を増やしその分価格が下がる。一番基本的で忠実なやり方だろう。
オーナーでもある彼女たちがショップに立つことで、サービスも自然とよくなる。コミュニケーションをとるために片言でも英語を話そうと勉強をする。
仕入れには外国人が絡んでいるはず。語学やサービスに関してもアドバイスをしていると思う。それで売り上げが上がるのであれば、持ちつ持たれつのいい関係。

何でも組織を大きくしてチェーン化し、ビジネスをどんどん大きくしようとする傾向のある現在の中国ではめずらしい。
そうなってくると、特にヨーロッパ人客はそのあたりに敏感なので、そういうシステム自体をサポートしようといているのではないかとも思う。
実際にこの店がなくなると困る人が、我々も含めて相当いるはず。安くて、品物がよくて、サービスもいいのだから。ここでも持ちつ持たれつです。

汚い、不安だと恐れて大手や日系スーパーばかりに行く日本人にも教えてあげたいような、むしろ教えたくないようなお店である。

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